ICTを活用した施工への挑戦
求められる技術に対応し
地域に必要とされる企業を目指す
PROJECT STORY
津屋川改良事業工事
建設業界においても、生産性向上を図り魅力ある建設現場を実現する手段として、ICTの活用が叫ばれている。
変化する顧客ニーズに対応するため、伊藤建工ではICT土木へのチャレンジをスタートさせた。
現場責任者 本荘孝博代表取締役社長 伊藤裕一朗
EPISODE. #01
ドローンでの3次元測量で
現場の効率化を実現
本荘
今回の工事自体は、一般的な盛土工事で複雑なものではありませんが、ドローンを飛ばして測量を行い、そのデータをICT建設機械に送り、重機を自動制御して施工を行うなど、ICTを活用した現場という点が特徴です。ICTを活用した工事は、当社で初めての取り組みだったので、まずは、そういったノウハウや機材を持っている協力会社の選定からスタートしました。工事の内容を伝えて、いろいろ相談して話を聞きながら進めていきました。
ドローンで測量することで、現場で測量する作業が減った分、通常作業に比べてラクでした。ICTでの効率化を実感した点ですね。
EPISODE. #02
確認できるものはモニターのみ
慎重に作業を進めて不安を乗り越える
本荘
ICT建設機械の導入も初めてだったので、担当オペレーターを決めて、使い方に慣れてもらえるようにしました。重機の運転や操作自体は通常の重機と同じですが、測量データを元に動くため、運転席に備え付けられているモニターを見て操作する必要があります。最初は勝手が違う部分もあったかと思いますが、やりながら試行錯誤を繰り返して、操作を習得することができました。
でも、現場に目印になるものがなく、確認できるものは図面のデータ情報が入っているモニターのみなため、初めのころは、「ちゃんと合っているだろうか?」と私自身不安も感じました。モニター上で、センチ単位で確認しながら施工しており、もちろん図面通りに仕上がるんですが、現場で確認することに慣れているからか心配になってしまったんです。
それでも、ある程度工事が進んでいくと、自分のイメージした感じと合致して、高さも揃って仕上がってきたので、不安は薄らいでいきました。
EPISODE. #03
時代に合わせて
新たな技術に挑戦する
伊藤
こういったICTを活用した工事事例は、まだ岐阜県ではそれほど多くはありません。やるのにそれなりの労力が必要ですし、ある程度の施工力、規模が求められることも一因だと思います。
しかし、国土交通省でICTを建設現場に導入し生産性向上を図る「i-Construction」の推進が図られていますし、公共工事を中心に、これから、こういった技術を求められる工事がだんだん広がっていくことは間違いないと思います。当社も、今回の工事をきっかけに、時代に合わせてICT技術を積極的に取り入れていきたいと考えています。
「i-Construction」の取組が、建設業界はもちろん、業界を超えて社会全体から応援される取組へと「深化」するシンボルとして、2018年6月1日にロゴマークを決定・公表しました。
> i-construction推進コンソーシアムサイトより抜粋
EPISODE. #04
地域の企業として
求められる姿勢を大切に
本荘
当社の工事は、人が住んでいる近くで行うことが多いので、その点はどの工事でも気を付けています。今回の工事では、土をさわっている工事なので、土で道路を汚してしまわないように、天候に合わせて現場を止めるなど調整し、田んぼの時期と重なっていたので、水が濁らないように注意もしました。
ICTを使う工事であっても、こういった基本的な姿勢は変わらないものです。これからも地域の中で認めていただけるような仕事をしていきたいと思います。